ほにゃり ほにゃりふたりたび 〜クリスマスver.〜
作者:空ーAIRー
「・・・」
只今待ち合わせの時間が過ぎようとしていた
「遅い・・・」
いつも俺が遅れてくるのだからしょうがないのだけれど
「・・・」
それにしても寒い・・・
「この・・・寒いぞ!」
誰に言ってるのかもわからなくなってきた
「朋也くーん!」
「おっ!」
「ごめんなさいなの」
ぺこりと謝る
「・・・」
「・・・?」
いや・・・何というか・・・綺麗だった
「いや、今日のことみは綺麗だなぁ〜って思ってたんだ」
「ありがとうなの(ぽっ)」
頬を染めて俯く
「・・・」
「・・・」
「と、とにかく!今日は楽しもうぜ!」
「うん!」
・・・手に持っていた荷物はこの時気付くことはなかった。
商店街
「しかし・・・今日もそうだけど、クリスマスともなると人が多いもんだな」
「そうだね、みんな楽しそうなの」
いつもは人通りが少ないのだがイベントがあると必ず人ごみができるほどに賑わう
「しかし・・・店が開くまで時間があるけど・・・何する?」
「うーん・・・とりあえずお散歩してみたいの」
「いいけど・・・どうしてだ?」
「うん、色々な場所で遊ぶのもいいけど、やっぱり朋也君と一緒に
居られる時間が大事だから」
「そうだな。俺もことみと一緒に居られるほうがいいしな」
「だから近辺をお散歩なの♪」
「りょーかい!」
「しかし・・・散歩といっても意外に人がいるもんだな」
ようは、みんな考えることが一緒なのである
「でも商店街よりは人がいないからいいの」
「ま、いっか」
「ところで朋也君、今日の予定は?」
「そうだな・・・とりあえず時間がきたらカラオケにでもいってみるか?」
「うん」
「まずは午前中何とかしないと・・・午後からならいくらでも時間があるわけだし」
「わかったの」
納得といった感じの表情で了解することみ
「そろそろ時間だし、行くか!」
カラオケでは
「・・・」
「〜♪〜♪〜〜♪〜ギョ〜♪〜ギギ〜〜〜♪」
なぜかカラオケにバイオリンを持ってきて演奏していることみ
前に比べればかなりマシになってきたのだが・・・所々に破滅音が流れる(汗)
「・・・ぐぁ」
そろそろ耳+頭が危険信号を発してきた
「〜〜♪ギョギョ♪〜♪」
「・・・ひぃ〜」
春原みたいな変声をだすようにまでなってきた。
「・・・ふぅ〜」
やっと終わったようである
「ぱちぱち!!!!」
やっと終わったという意味で多大な拍手を送る
「ありがとうなの」
少し照れ気味のことみ
・・・・・・・・・・・萌え!(爆
「いや、かなりイイ演奏だったぞ!また(もういいや)聴きたいぜ!」
「うん、朋也君が聴いてくれるならいつでも演奏するの」
結局ことみの演奏(俺にはお経に聞こえたが)でカラオケの時間を使った
「僕らはみんな生きている〜♪」
どうしても口つさんでみたかった
「どうしたの?」
「いや、何でもない」
「?」
こんなにも外が素晴らしいなんて・・・この時初めて気付いた(汗)
「それより、飯食いにいかないか?」
「そうだね・・・そろそろお昼の時間だし」
「そこでだ・・・以前から行ってみたい中華料理屋があるんだが・・・」
「うん!そこにしようよ!」
「・・・今日は腹減ってるか?」
「ううん!今日はいっぱい演奏したからお腹ぺこぺこなの」
本当に減ってるみたいでお腹を押さえてる
「・・・覚悟しろよ」
「・・・」
「〜♪」
たまにことみのことがわからなくなってくる
「・・・うぷ」
「これ美味しいね♪」
そこの中華料理はとんでもなく量が多く、とてもじゃないが
一人で食べれないメニューもある、今話題の料理屋なのである
ほとんどの女の子は食べれないのだが・・・
「〜♪」
さっきまで富士山のごとく聳え立っていた大盛り焼きソバが
今では平地になるまでに減っていた
「ことみ・・・よく食べれるな」
「これ・・・とってもおいしいの♪」
「・・・さいですか」
結局ことみは一人で平らげ、俺の分まで食べるまでに至ってしまった
ことは俺の中の心に封印しておくことにした。
その夜は流石にことみもお腹が一杯なようで夕食は省くことになった
そして今・・・
「ともやく〜ん(はぁと)」
再びカラオケにきていちゃいちゃしているところである(ヲイ)
「どうした?」
「んふふ〜♪呼んだだけなの♪」
俺の腕の中で甘えていることみ
「そっか・・・」
頭を撫でる
「〜♪」
目を細めて為すがままにされている
もうカラオケそっちのけでいちゃいちゃしている二人
時折部屋の前を通る客がこちらを見るが気にしないことにする
「ことみ・・・」
「朋也君・・・」
結局クリスマスをカラオケで過ごすことになったのはお約束ということで(笑)
End